1. はじめに:なぜ「誰でもアクセスできる」のが危ないのか
ブログやECサイトの管理画面、現代のクラウドツール(SaaS)などのシステムは、インターネットさえあればどこからでもログインできて便利です。しかし、それは「IDとパスワードさえ盗まれれば、世界中のどこからでも不正アクセスされる」というリスクと隣合わせです。
そこで、特定の場所(オフィスや自宅)からしかアクセスできないようにする「IPアドレス制限」が注目されています。
2. IPアドレス制限の仕組み
IPアドレス制限とは、システムの入り口に「許可された住所(IPアドレス)リスト」を置き、それ以外の場所からのアクセスをすべて遮断する仕組みです。
- 許可されたIP: ログイン画面が表示される
- 許可されていないIP: 接続拒否(403 Forbiddenなど)
これにより、万が一IDやパスワードが流出しても、攻撃者は「リストにない場所」からアクセスしているため、中に入ることができません。
3. なぜ「固定IPアドレス」が必要なのか?
ここで問題になるのが、一般的なインターネット契約の仕組みです。
通常のネット接続では、接続のたびにIPアドレスが変わる「動的IP」が使われています。昨日は「1.2.3.4」だったのに、今日は「5.6.7.8」に変わってしまう……。これでは、システム側に「どの番号を許可すればいいか」を教えることができません。
そこで登場するのが「固定IPアドレス」です。
| 種類 | 特徴 | IP制限への適性 |
|---|---|---|
| 動的IP | 接続のたびに番号が変わる | 不向き(制限をかけるたびに設定変更が必要) |
| 固定IP | 番号がずっと変わらない | 最適(一度登録すればずっと有効) |
4. 固定IPアドレス導入の3ステップ
導入から運用までは、以下のイメージで進みます。
- 導入: プロバイダやVPNサービスから自分専用の「固定IP」を取得する。
- 紐付け: ユーザー(社員のPCやルーター)にその番号を割り当てる。
- 許可: 利用するクラウドサービス(Slack, Salesforceなど)の設定画面で、その番号を「許可リスト」に追加する。
5. まとめ:固定IPは「デジタルの通行証」
固定IPアドレスを持つことは、インターネット上で「自分たちだけの変わらない通行証」を持つようなものです。
- セキュリティ向上: 不正アクセスのリスクを激減させる。
- 運用コスト削減: 一度設定すれば、IPが変わるたびに設定し直す手間がない。
リモートワークが普及した今、VPNなどを活用して個々の社員に固定IPを付与する企業も増えています。安全なビジネス環境を作るために、まずはIPアドレス制限の検討から始めてみてはいかがでしょうか。
